別荘どうする。
私の父の世代(80代)が現役の頃は、別荘を購入したり、ゴルフ会員権を購入したりすることが、ステイタスの証のように考えていた方が多かったと思います。ゴルフの会員権も本当に高額でした。
今、ちょうどその世代の方が所有していた別荘をどうするかが問題になってきています。
先日、埼玉県・秩父にある別荘を売却したいという相談を受けました。亡くなったご主人が建てられた別荘で、近くにはホームコースとして通っていたゴルフ場があります。実際に現地を訪れてみましたが、自然豊かで、百選に選ばれるような名水が近くを流れ、春には行く道が桜のトンネルになるというとても素敵な場所でした。建物も、しっかりとつくられていて十分使える状態でした。
しかしです。受け継いだ家族はほぼ、というよりまったく現地に行かないのです。当時使われていた家財道具から衣類まで、すっかりそのまま残されていました。
こうした別荘の売却は本当に大変です。人気の別荘地であればいいのですが、そうでないと、まず不動産に価格がつきません。そうなると不動産業者も仲介手数料がわずかとなってしまうため、積極的に売却活動をしてくれません。
ご相談を受けた別荘がまさにそんな感じでした。といって放置すれば、建物はどんどん傷んでしまいますし、それこそ不審者にでも占有されたら大変です。少額とはいえ毎年、固定資産税もかかってきます。
持ち出しゼロで譲渡
こういう時は、「登記費用や残置物処理費用などを負担してもらい、自らの持ち出し金がかからなければいい」というくらいの腹積もりで不動産業者に譲渡してしまった方がすっきりしていいのではないでしょうか。まさにこのケースでは、そういうかたちで決着を図りました。
投資家筋に強い不動産業者であれば、いったん入手すると何だかんだと売却先を見つけてくるものです。最終的には、民泊に利用したいという方が購入されたとのこと。きっと別荘も喜んでいることと思います。