住まいの耐震と整理収納

実家耐震

  

実家の2階は物置状態

 大人数で暮らしていた実家は、子供の独立に伴い一気に使わない部屋が増えます。2階の日当たりのいい部屋はかつての子供部屋。相変わらず荷物は残ったままで使われていません。そんな光景を耐震改修の現場で何度も目にしてきました。高齢になるにつれて2階に上がる回数が減り、2階はそのまま物置と化してしまいます。

建物は上に重たいものがあればあるほど揺れる

 地震の力は建物の重量に比例して大きくなります。2階よりも1階の方が支える重量が大きくなりますので、当然1階により大きな地震力がかかります。

 私は実際に地震で倒壊した建物を見てきました。ほとんどの建物が、1階が押しつぶされる形で倒壊しています。地震時に2階で就寝していて助かったという話も伺いました。

 耐震改修工事で瓦葺の屋根を軽いスレート葺きや金属葺きに変えるという工事があります。これはまさに建物の重量、しかも高いところにある重量を減らすという考え方に基づくものです。

2階を片付けることは、自分でできる耐震改修

 さて実家に話を戻します。高齢の親は次第に2階に上がる回数が減り、1階が生活スペースになっていきます。そして2階は多くのモノが置かれたままの物置状態。

 耐震改修を行う人間からすると、これはとても危険な状態に映ります。ぜひ耐震診断、耐震改修を、と思うのですが、その前にぜひやっておきたいことが、2階の重量を減らすことです。

 2階の重量を減らす、すなわち片付けをすることは自分でできる耐震改修なのです。2階に大量の本が置いてありませんか。読まない本はすぐにでも処分(売却)すべきです。本はかなりの重量になります。小屋裏収納なるものがあれば、まずはこの中を空にすべきです。小屋裏収納は、不用品のたまり場になりやすいばかりか、耐震の観点からもとても不利になります。

 私が耐震改修をしていて、整理収納アドバイザーの資格を取得しようと思った最も大きな理由はこのことでした。整理しようという意識を促進させることは耐震改修につながるんだと気が付いたのです。整理収納アドバイザー1級の試験では、整理収納に関する研究発表があります。その時の私のテーマは「住まいの耐震と整理収納」でした。

  

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